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Guest:株式会社HiRAKU代表取締役/元ラグビー日本代表キャプテン廣瀬俊朗氏
前編はこちらからご確認ください。
スポーツとテクノロジーで
ウェルビーイングな社会の作り方【後編】
スポーツを楽しむ環境をアップデートしていくことで、よりよい社会づくりに取り組むCHEERPHONE(チアホン)のメンバーが、スポーツ業界を中心にさまざまなイノベーターやリーダーの方々とのインタビューや共創型セッションを通じて新しいアイデアや未来について語り合う「CHEERTALK」を実施。
第一弾の後編では、株式会社HiRAKU代表取締役で、元ラグビー日本代表キャプテンの廣瀬俊朗さんに、「スポーツ観戦の未来」についてお話を伺います。
左から 株式会社HiRAKU 廣瀬俊朗氏、パナソニックホールディングス株式会社 木村文香、 持田登尚雄
スポーツには見ているだけでは伝わらないものもある
木村:廣瀬さんには2022年の2月27日のリコーブラックラムズ東京の試合でCHEERPHONEを使った音声配信を解説者として実施していただきましたが、実際に体験されてみていかがでした?
廣瀬:隣に座っている友人とするような会話を、良い意味で雑談をいろんな人と共有できる感じが楽しかったですね。僕たちもテレビだと真面目に話さなきゃとちょっと畏まってしまうけど、力を抜いて話せるし、自然体で自分が出せるのが良いですよね。
ファンの方も、そういう方が聞きやすいだろうし、会話の団欒の中にいるような雰囲気を感じてもらえるんじゃないでしょうか?
木村:私も廣瀬さんの解説を聞きながらルールが理解できたり、選手のことが少しずつ理解できる観戦がとても楽しかったです。
廣瀬:ありがとうございます。笑 僕も楽しかったんですよね。ちょっと間違っても許される肩肘張らない感じがとても話しやすかったです。
木村:廣瀬さんでもわからないことあるんだ。って感じて、とても親近感が沸きました。笑
持田:他の試合の配信でも、ポジションが違うと実は全然わからないと伺うこともあって、新鮮な発見でした。テレビの解説だとこういうことも伝わって来ないですからね。
廣瀬:テレビなどの解説だとなかなか分からないとは言えないですもんね。笑このサービスはいい塩梅でクローズドなのが良いのかもしれないですね。
持田:基本的には好意や関心がある人が能動的に参加する仕組みですし、リアクション機能でインタラクションを持たせているので配信者と視聴者の間に相互作用のあるサービスデザインにしているんですよね。
廣瀬:確かに。絶妙な仕組みですね。
持田:スポーツは普通に見てても面白いんですけど、見てるだけだと伝わらないことも多いと思いますし、伝えてもらうことで、もっとスポーツやアスリートに関心が持てたりすると思っています。例えば、その選手が今日誕生日ですよとか、今日がデビュー戦なんですよとか小さなことでも良いんですよね。
アスリートやチームの意図や意味を伝えることが出来るツールが世の中にあるようでなかったので、CHEERPHONEというサービスを立ち上げることにしたんです。
廣瀬:実際に、スタジアムで配信した際にも多くの視聴者の方が喜んでいましたもんね。僕の知り合いも、すごく試合が分かりやすかったし、試合をめちゃ楽しめたって言っていましたからね。
木村:体験いただいた方には大変楽しんでいただいているのはアンケートの結果でも確認は出来ているんですけど、まだまだスポーツ観戦する際に音声を聞くという文化には抵抗感のある方もいらっしゃるようです。相談みたいになってしまいますけど(笑)、こういった文化を根付かせるにはどうしたら良いと思いますか?
廣瀬:「楽しかった」とか「また聞きたい」というのがデータでも証明されてますし、一度体験すると良さが分かるので、強制的にでも聞く機会を作ると、「いいやん」ってなりそうですよね。あとは、ファンの方も配信に入ってきたりすると面白いのかもしれない。笑
木村:ファンの方が直接廣瀬さんと解説できるなんて夢みたいな企画ですね!!
廣瀬:話も盛り上がったりするでしょうし、もっと入ってみたいって人も増えるでしょうね。そうすると聞いてくれる人も増えて行く。試合会場に行くと結構解説したがってる人多いですからね。
先日見に行った試合でも、僕の近くの席で試合中もずっと解説している人がいました。笑 そういう方の視点は僕たちに持ってないものがあったりして、結構面白かったりもするんですよ。
木村:なるほど、一般人の方にも秘めた想いもすごい話術もっている方もいらっしゃるかもしれないですよね。なんだかワクワクしてきます!笑
HiRAKUとパナソニックが拓く未来のスポーツ観戦
廣瀬:ラグビーを初めて見る方は普通に見てると分からないことがたくさんあると思うんですけれども、こういった音声配信があると、そこを解決してくれると思うし、ラグビーの楽しみ方が増えるんじゃないかな。
初心者の方のハードルを下げる意味でもあったらいいと思います。
これって美術館でも同じですよね?音声ガイドがありますけど、解説や説明があるとより分かりやすくなりますよね。それと一緒なんじゃないかな?
木村:私も美術館行くと自分が一見して感じたことと音声ガイドでの解説を比較してみたりすることで、より作品に対しての想いが伝わってきたり、考えさせられたりするんですよね。
廣瀬:あとは、試合前のウォーミングアップを解説すると面白いかもしれない。結構スタジアムに早く来られているお客さんも多いので、どんなウォーミングアップをしているのか、あの選手はこんなところに意識をしているとか、ああいう練習しているから今日はこういう戦略になりそうです。とか聞けると、その日の試合への気持ちも変わるし、見方も変わるじゃないですか。ウォーミングアップを楽しもうってのはいいかもしれない。
持田:面白いかもしれないですね。それ採用しましょう。笑
廣瀬:うん、これはイケそうな気がする。笑
持田:是非、やりましょう!
廣瀬:映像の関係もあって難しいかもしれないけど、過去の試合の解説をするのも面白いかもしれない。過去のワールドカップのあの試合を振り返る、みたいなのもあれば選手や競技に興味を持ってもらうきっかけになるかもしれないですよね。
木村:あの選手は今!的にシリーズで振り返ってみるのも良いかもしれないですよね。笑
廣瀬:うんうん、面白い。
廣瀬:ラグビーで言えば、W杯には若い世代も含め、多くの方が関心をもってくれる。代表の試合は先日も5万人を超える方が来てくれましたが、残念ながら国内リーグにはあまりお客さんが入っていない。そこに対して、打ち手は必要だと僕たちも思っていて、来年はそのチャンスかもしれないですよね。
木村:そうですよね、もっと若い方たちも巻き込んでいきたいですよね。スポーツ観戦における音声配信の文化を根付かせるためのアイデアをすでにたくさんお話ししていただいたのですが、最後にHiRAKUのみなさんも交えて、「スポーツ観戦」の未来についてのアイデアをワークショップ形式で出してみたいなと思っているんですが、参加いただいても良いですか?
廣瀬:へー、面白い。是非!
木村:ここで出たアイデアをHiRAKUさんと一緒にチャレンジすることが出来たら良いなと思っています。
廣瀬:それ、良いですね。
木村:じゃあ、「声や音」でスポーツ観戦をアップデートするアイデア出しを皆さんでやってみましょう!
「Wish」から考える未来のカタチ
木村:廣瀬さんもHiRAKUのみなさんもありがとうございました。短い時間でしたけど、多くのアイデアが出ましたね。いくつか本当にやれたらという面白いアイデアもありますね。
廣瀬:いや、面白かった。笑是非、どれかやってみましょう。
持田:大企業がやるアイデア出しって大きな課題から入っていきがちなんですけど、CHEERPHONEのように、世の中にこんなものがあったら良いよねっていう「Wish」から入っていくと、面白いじゃないですか?こういうワクワクする未来のアイデアを出す作業をいろいろな方とできたらと思っています。
廣瀬:いや、ほんとそうですね。めっちゃワクワクしました。
木村:ワクワクする未来を創るために、是非、ここで出たアイデアだけでなく、引き続きHiRAKUさんとも何かご一緒できればと思います。
廣瀬:はい、そうですね。是非、よろしくお願いします。
【会社概要】
株式会社HiRAKU
2019年創業。元ラグビー日本代表キャプテンの廣瀬 俊朗が代表を務め、
“ひと”や“もの”の可能性をひらくための様々なプロジェクトを企画・実装。